○綾川町教育委員会ストレスチェック制度実施要綱
平成28年8月1日
教育委員会訓令第2号
(目的等)
第1条 この訓令は、労働安全衛生法(昭和47年法律第57号)第66条の10の規定に基づく心理的な負担の程度を把握するための検査(以下「ストレスチェック」という。)及びその結果に基づく医師による面接指導等を内容とする制度(以下「ストレスチェック制度」という。)を綾川町教育委員会(以下「教育委員会」という。)が実施するに当たり、その実施方法等を定めるものである。
2 ストレスチェック制度の実施方法等については、本要綱に定めるほか、労働安全衛生法その他の法令の定めによる。
3 本制度は、職員自身のストレスへの気付き及びその対処の支援並びに職場環境の改善を通じて、メンタルヘルス不調となることを未然に防止する一次予防を目的としており、メンタルヘルス不調の職員を把握することを一義的な目的とはしない。
(ストレスチェック制度の実施体制)
第2条 教育委員会は、ストレスチェック制度を実施するため、実施管理者、ストレスチェック制度担当者、ストレスチェック実施者、ストレスチェック実施事務従事者及び面接指導医師として、次の者を選任する。なお、ストレスチェックは、教育委員会が業務を委託した機関(以下「外部機関」という。)が実施するものとする。
(1) 実施管理者
学校教育課長
(2) ストレスチェック制度担当者
学校教育課の課長補佐及びメンタルヘルス対策担当職員
(3) ストレスチェック実施者
外部機関が定める医師
(4) ストレスチェック実施事務従事者
外部機関が定める者
(5) 面接指導医師
教育長が別に定める医師
(ストレスチェックの実施方法)
第3条
(1) 実施頻度、実施時期
ストレスチェックは、原則として年2回、定期に実施する。なお、実施時期については、教育長が別に定める。
(2) 対象者及び対象者の把握
① ストレスチェックの対象者は、綾川町立の小学校及び中学校に属する県費職員とする。ただし、ストレスチェック実施期間に育児休業、休職等により勤務していなかった職員のうち、休暇期間が1月以上の職員については、ストレスチェックの実施対象外とする。
② 教育長が別に定めるところにより、所属長は対象者に関する情報を実施管理者に提供する(対象者に変更があった場合も同じ)。
(3) ストレスチェックの受検方法
① 対象者は、専門医療機関に通院中など特別な事情がない限り、教育長が別に定める期間中にストレスチェックを受けるよう努めるものとする。
② 対象者は、ストレスチェックを受けるに当たって、ストレスチェックが職員の健康管理を適切に行い、メンタルヘルス不調を予防する目的で行うものであることを踏まえ、自身のストレスの状況をありのまま回答するものとする。
③ ストレスチェックは、「労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度実施マニュアル」(平成27年5月厚生労働省労働基準局安全衛生部労働衛生課産業保健支援室)(以下「マニュアル」という。)に示されている職業性ストレス簡易調査票(57項目)を用いることを基本とする。
④ 対象者は、原則として、外部機関が発行するID・パスワードにより、外部機関の専用ウェブサイト(以下「専用ウェブサイト」という。)にログインし、専用ウェブサイト上で調査票に回答する方法でストレスチェックを受検する。
(4) ストレスチェックの受検勧奨
実施管理者は所属長を通じて、ストレスチェックを受検していない者に対し、受検の勧奨を行う。
(5) ストレスの程度の評価方法及び高ストレス者の選定方法
① ストレスチェックの個人結果の評価は、マニュアルに示されている標準化得点を用いた方法によるとともに、レーダーチャート等の図表で示すことにより行う。
② 高ストレス者の選定は、教育長が別に定める基準によりストレスチェック実施者が行う。
(6) ストレスチェック結果の通知方法等
ストレスチェックの結果の通知は、ストレスチェック実施者から受検者に対し、原則として専用ウェブサイトの画面に表示することにより行う。
(7) セルフケアの実施
ストレスチェックを受検した職員は、ストレスチェックの結果及び結果に記載されたストレスチェック実施者による助言・指導等に基づいて、適切にストレスを軽減するためのセルフケアを行うよう努めるものとする。
(8) ストレスチェックの結果の取扱い
① ストレスチェック実施者がストレスチェックの結果を受検者に通知する際に、専用ウェブサイト上において、当該結果を教育委員会に提供することについて、受検者に同意の有無を確認する。ストレスチェック実施者から教育委員会へのストレスチェック結果の提供は、受検者の同意を取得した場合に限り、書面又は電磁的記録により行われる。
② ストレスチェック結果の提供を受けた教育委員会においては、実施管理者が職員の所属長に対し当該職員のストレスチェック結果を情報提供するとともに、必要に応じて就業上の配慮等を行うよう依頼する。
(9) ストレスチェック結果の保存
ストレスチェック結果は外部機関において5年間保存する。保存に当たっては、ストレスチェック結果が第三者に閲覧されることがないよう、セキュリティの確保等必要な措置を講じ、適切に管理しなければならない。
(医師による面接指導等)
第4条
(1) 面接指導の申出
① ストレスチェック受検後、ストレスチェック実施者が高ストレス者に選定し、面接指導を受ける必要があると認める者は、医師の面接指導を受けることができる。
② 面接指導を希望する者(以下「申出者」という。)は、原則として外部機関が定める方法により教育委員会に面接指導の申出を行うものとする。なお、当該申出をもって、申出者は、ストレスチェック結果を教育委員会に提供することに同意したものとみなす。
③ 実施管理者は所属長を通じて、面接指導を受ける必要があると認める者のうち、面接指導の申出を行っていない者に対し、申出の勧奨を行う。
(2) 面接指導の実施方法
① 外部機関を経由して面接指導の申出を受けた実施管理者は、申出者、面接指導医師及び申出者の所属長と面接指導の実施日時及び場所等について調整し、文書によりこれらの者に通知する。面接指導の実施日は、原則として、申出があった日から30日以内とする。
② 通知を受けた申出者は指定された日時及び場所で面接指導を受けるものとし、申出者の所属長は指定された日時及び場所で面接指導を受けることができるよう服務上の配慮をしなければならない。
③ 実施管理者は、申出者の所属長から当該申出者の「勤務状況報告書(様式第1号)」の提出を受け、面接指導の実施日までに、ストレスチェック実施者から提供のあったストレスチェック結果とともに、面接指導医師に送付する。また、申出者は「面接指導自己チェック票(様式第2号)」をあらかじめ記入し、直近の健康診断結果の写しとともに、面接指導の実施時に医師に提出しなければならない。
④ 面接指導については、医師が、提供された資料やその場で聴取した状況から、医学的な判断で助言・指導を行うとともに、必要に応じ専門医療機関の受診勧奨や支援機関の紹介等を行うものとする。
⑤ 実施管理者は、面接指導医師に対し、「面接指導結果報告書兼意見書(様式第3号)」(以下「意見書」という。)を面接指導の実施後10日以内に提出するよう求める。ただし、やむを得ない理由により10日以内に提出することが難しい場合は、この限りでない。
(3) 面接指導結果を踏まえた就業上の措置等の実施
① 教育長は、就業上の措置が必要との意見が面接指導医師から提出され、その必要が認められるときは、当該職員の実情を考慮して、就業上の措置(就業場所の変更、業務の転換、勤務時間の短縮、休業等)を決定し、所属長に対し、就業上の措置の目的及び内容等について理解が得られるよう必要な説明を行う。また、就業上の措置を決定する場合には、あらかじめ当該職員の意見を聴き、了解が得られるよう努めるとともに、不利益な取扱いにつながらないよう留意しなければならない。
② 所属長は、当該職員に対し就業上の措置を実施し、又は当該措置の変更若しくは解除をしようとするに当たっては、面接指導医師、学校教育課との連携にも十分留意する。また、就業上の措置を講じた後、ストレス状態の改善が見られた場合には、面接指導医師の意見を聴いた上で、通常の勤務に戻す等適切な措置を講ずるものとする。
③ 当該職員は、正当な理由がない限り、決定された就業上の措置に従わなければならない。
(4) 面接指導等の結果の保存
ストレスチェック制度担当者は、学校教育課において、意見書及びストレスチェック実施者から提供のあったストレスチェック結果を書面又は電磁的記録により5年間保存する。
保存に当たっては、面接指導の結果が第三者に閲覧されることがないよう、セキュリティの確保等必要な措置を講じ、適切に管理しなければならない。
(ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析)
第5条
(1) 対象
ストレスチェック結果の集団ごとの集計・分析は、各所属単位で行う。ただし、受検者が10人未満の所属は行わない。なお、集計・分析は、外部機関において行う。
(2) 実施方法
集団ごとの集計・分析は、外部機関がマニュアルに示されている「仕事のストレス判定図」により実施し、教育委員会に提供する。
(3) 活用方法
教育長は、所属長に集計・分析の結果を通知し、働きやすい職場づくりの参考にするよう指示するとともに、集計・分析の結果をもとに、必要に応じ、学校教育課と連携し、実情に応じた対応策の検討や職員研修に活用する。
(4) 結果の記録
ストレスチェック制度担当者は、学校教育課において、集団ごとの集計・分析の結果を、書面又は電磁的記録により5年間保存する。
保存に当たっては、集団ごとの集計・分析の結果が第三者に閲覧されることがないよう、セキュリティの確保等必要な措置を講じ、適切に管理しなければならない。
(不利益な取扱いの防止)
第6条 教育委員会は、職員に対し次に掲げる不利益な取扱いを行ってはならない。
(1) 労働安全衛生法により禁止されている不利益な取扱い
職員が面接指導の申出をしたことを理由とした不利益な取扱い及びストレスチェック結果のみを理由とした不利益な取扱い
(2) 禁止されるべき不利益な取扱い
① 職員がストレスチェックを受検しないこと等を理由とした不利益な取扱い
ア ストレスチェックを受けない職員に対する不利益な取扱い
イ ストレスチェックの結果を教育委員会に提供することに同意しない職員に対して、これを理由とした不利益な取扱い
ウ 面接指導の要件を満たしているにもかかわらず、面接指導の申出を行わない職員に対し、これを理由とした不利益な取扱い
② 面接指導結果を理由とした不利益な取扱い
ア 就業上の措置の実施に当たり、医師による面接指導を行うこと又は面接指導結果に基づく必要な措置について医師の意見を聴取すること等の法令上求められる手順に従わず、不利益な取扱いを行うこと。
イ 面接指導結果に基づく措置の実施に当たり、医師の意見とはその内容・程度が著しく異なる等医師の意見を勘案し必要と認められる範囲内となっていないもの又は職員の実情が考慮されていないもの等、法令上求められる要件を満たさない内容の不利益な取扱いを行うこと。
ウ 面接指導の結果を理由として、免職すること、期間の定めのある職員について契約の更新をしないこと、不当な動機・目的をもってなされたと判断される配置転換又は職位の変更を命じること、その他の労働契約法等の労働関係法令に違反する措置を行うこと。
(ストレスチェック制度に関する情報管理)
第7条
(1) 情報の管理
ストレスチェック制度担当者は、学校教育課において、受検者の同意を得て取得したストレスチェック結果、集団ごとの集計・分析及び面接指導の結果の情報を一元的に管理する。また、ストレスチェックの受検の有無に関する情報についても同様とする。
(2) 秘密の保持
ストレスチェック制度の実施の事務に従事した者は、実施に関して知り得た職員の情報を漏らしてはならない。
(3) 情報の共有範囲及び留意事項
① ストレスチェック制度の実施の事務に従事した職員間の情報共有の範囲は次の表のとおりとし、これ以外の情報共有を行ってはならない。また、共有する情報は当該職員の健康確保のための就業上の措置に必要な範囲に限る。
② 面接指導医師は、面接指導結果に関する情報を実施管理者に提供するに当たっては、必要に応じて情報を適切に加工することにより、申出者の健康を確保するための就業上の措置を実施するために必要な情報に限定するものとし、診断名、検査値若しくは具体的な愁訴の内容等の生データ又は詳細な医学的情報を提供してはならない。
職員間の情報共有の範囲
職員区分 情報区分 | 職員(本人) | ストレスチェック実施者 | 事業者 (綾川町教育委員会) | 所属所の管理職 | 面接指導医師 | ||
実施管理者、ストレスチェック制度担当者 | 教育長 | ||||||
ストレスチェック受検の有無 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
ストレスチェック結果 (個人通知の内容と同じもの) | 情報提供の同意なしの場合 | ○ | ○ | × | × | × | × |
情報提供の同意ありの場合 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
面接指導の申出ありの場合 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | |
面接指導結果報告書及び事後措置に係る意見書(当該所属分) | × | × | ○ | ○ | ○ | ○ | |
面接指導結果報告書及び事後措置に係る意見書(全所属分) | × | × | ○ | ○ | × | ○ | |
集団分析の結果 (当該所属分) | × | ○ | ○ | ○ | ○ | × | |
集団分析の結果 (全所属分) | × | ○ | ○ | ○ | × | × |
注) ○は情報共有する。×は情報共有しない。
(その他)
第8条
(1) 情報開示、苦情処理の窓口
① ストレスチェックの実施に関する情報開示、苦情処理の窓口を学校教育課内に設置する。
② 職員は、ストレスチェック制度に係る情報の開示等を求める場合、書面により教育長に申し出るものとする。
(2) 外部機関の体制の確認
ストレスチェック制度担当者は、外部機関が、ストレスチェック等を適切に実施し、情報管理を適切に行える体制であることを予め確認しなければならない。
(3) 服務上の取扱い
ストレスチェックの受検、面接指導及び就業上の措置の決定に係る職員の面談の服務上の取扱いは、公務とする。
(4) この訓令に定めるもののほか、ストレスチェック制度の実施に関し必要な事項は、教育長が別に定める。
附則
この訓令は、平成28年8月1日から施行する。