○綾川町職員からの通報等への対応手続に関する要綱
平成31年4月1日
訓令第2号
(目的)
第1条 この要綱は、公益通報者保護法(平成16年法律第122号。以下「法」という。)及び「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン(内部の職員等からの通報)」(平成29年7月31日 消費者庁。以下「地方公共団体向けガイドライン」という。)の趣旨を踏まえて、法令違反行為等に関する、職員からの通報等を適切に取り扱うため、これらの通報等への対応手続に関する事項を定めることにより、通報者等の保護を図るとともに、綾川町の法令遵守等を確保することを目的とする。
(定義)
第2条 この要綱において「法令違反行為等」とは、次に掲げる行為とする。
(1) 法令(法律、条例、規則等を含む。)違反行為(当該行為が生じるおそれがある行為を含む。)
(2) 町民の生命、身体、財産その他の利益を害するおそれのある行為
(3) 職務上知り得た情報により町民の一部に対してのみ有利な取り扱いをする行為、若しくは私的利益を誘導する行為
(4) その他事務事業に係る不正な行為
2 この要綱において「職員」とは、次に掲げる者とする。
(1) 綾川町職員(臨時職員等を含む。)
(2) 前号に規定する者であった者
4 この要綱において「受付」とは、内部通報先に対してなされた通報、相談を受けることをいう。
5 この要綱において「受理」とは、内部通報先に対してなされた通報について、調査又は是正措置を行う必要性があるものとして受け付けることをいう。
6 この要綱において「被通報者」とは、第1項により通報されたものをいう。
(総括通報等責任者)
第3条 職員から内部通報先に対してなされる通報及び相談(以下「通報等」という。)への対応に関する事務を総括するため、総括通報等責任者を置くこととし、総務課長をもって充てる。
2 総括通報等責任者は、通報等への対応に関する規程類の整備、研修の実施、通報に関する調査の進捗等の管理、通報等を理由とする不利益な取扱いの防止その他通報等への適切な対応の確保に関する事務を総括するものとする。
3 総括通報等責任者は、前項に規定する事務を総務課の職員に行わせることができるものとする。
(通報窓口)
第4条 職員による法令違反行為等に関してなされる通報等を取り扱うため、総務課に通報窓口を置き、総括通報等責任者がこれを総括する。
2 通報窓口は、次に掲げる事務を取り扱う。
(1) 職員による法令違反行為等に関してなされる通報等の受付に関すること。
(2) 法令違反行為等の判断及び相談に関すること。
(3) 通報者及び相談者(以下「通報者等」という。)との連絡調整に関すること。
(通報の方法)
第5条 通報窓口への通報は、原則として内部通報書(様式第1号)を電子メール又は封書により行うものとする。
2 通報等について電子メールによる場合は、内部通報先に送信する方法により、また、封書の場合は、あて先を「総務課(公益通報)」とし、「親展」と記載した上で郵送するものとする。
3 通報は、原則として実名により行うものとする。ただし、確実な資料等がある場合は、匿名により行うことを妨げない。
(法令等遵守担当官)
第6条 各課及び出先機関等の長をそれぞれの法令等遵守担当官とする。法令等遵守担当官は、職員から内部通報先になされた通報等の対応に協力するとともに、通報等を行った職員の保護の徹底を図るものとする。
2 法令等遵守担当官は職員から直接通報等を受けた場合には、通報者等から通報等の内容となる事実の概要、その他の必要な情報を聴取し、通報等に関する秘密保持及び個人情報の保護、通報等を理由とする不利益取扱いの防止を必要に応じて行うものとする。
3 法令等遵守担当官は、通報等への対応を行った場合には、その概要について、別紙に定める内部通報受付票(様式第2号)を用いて、総括通報等責任者に報告するものとする。
(秘密保持及び個人情報保護の徹底)
第7条 通報等への対応に関与した職員(通報等への対応に付随する職務等を通じて、通報等に関する秘密を知り得た者を含む。以下同じ。)は、通報等に関する秘密を漏らしてはならない。
2 通報等への対応に関与した職員は、当該対応手続において知り得た個人情報の内容をみだりに他人に知らせ、又は不当な目的に利用してはならない。
3 通報等への対応に関与する職員は、通報等への対応に関する秘密保持及び個人情報保護の徹底を図るため、通報等への対応の各段階(通報等の受付、調査、是正措置及び通報者等への結果通知。以下同じ。)及び通報等への対応終了後において、次に掲げる事項を遵守しなければならない。
(1) 情報を共有する範囲及び共有する情報の範囲を必要最小限に限定すること。
(2) 通報者等の特定につながり得る情報(通報者等の氏名、所属等の個人情報のほか、調査等が通報を端緒としたものであること、通報者等しか知り得ない情報等を含む。以下同じ。)については、被通報者及びその関係者に対して開示しないこと(通報等の対応を適切に行う上で真に必要な最小限の情報を、次号に規定する同意を取得して開示する場合を除く。)。
(3) 通報者等の特定につながり得る情報を、情報共有が許される範囲外に開示する場合には、通報者等の書面(電子メールを含む。)による明示の同意を取得すること。
(4) 前号に規定する同意を取得する際には、開示する目的及び情報の範囲並びに当該情報を開示することによって生じ得る不利益について、通報者等に対して明確に説明すること。
4 内部通報先における通報等への対応に際する秘密保持及び個人情報の保護に関しては、前3項に定めるもののほか、個人情報の保護に関する法令その他関係法令等に従うものとする。
(利益相反関係の排除)
第8条 職員及び通報窓口担当者は、自ら当事者となっている案件に関する通報その他の利益相反関係を有する案件についての通報等への対応に関与してはならない。
2 通報等への対応に関与する者は、通報等への対応の各段階において、相互に当該通報に利益相反関係を有していないか確認するものとする。
3 通報等への対応に着手しようとする者は、当該案件について自らが利益相反関係を有すると思料するときは、直ちに総括通報等責任者にその旨を伝えなければならない。
2 内部通報先は、通報等があったときは、誠実かつ公正に通報等に対応し、正当な理由なく通報等の受付又は通報の受理を拒んではならない。
3 内部通報先は、匿名による通報等についても、可能な限り、実名による通報等と同様の取扱いを行うよう努める。
(受付手続)
第10条 通報窓口は、通報等を受け付けたときは、内部通報受付票に従い、通報等への対応に関する秘密保持及び個人情報の保護に留意しつつ、通報等への対応に必要な事項を通報者等に確認するものとする。ただし、通報者等の特定につながり得る情報を確認することについて、通報者等の同意が得られない場合その他確認に支障がある場合は、この限りでない。
(1) 通報等に関する秘密は保持されること。
(2) 個人情報は保護されること。
(3) 通報受付後の手続の流れに関すること。
3 前2項において、書面(電子メールを含む。)等、通報者等が通報等の到着を確認できない方法によって通報等がなされた場合には、速やかに通報者等に対して通報等を受領した旨を伝えるよう努めるものとする。
4 通報を受け付ける際には、法令遵守担当官が受ける場合を除き、勤務時間外に個室や庁舎外で面談する等の措置を適切に講じ、通報等の秘密を守ることとする。
(受理手続)
第11条 総括通報等責任者は、通報窓口が通報者から通報を受け付けた後は、遅滞なく町長、副町長、教育長(以下「町長等」という。)に報告し、当該通報等に係る法令違反行為等に関して調査又は是正措置を行う必要性について協議しなければならない。
3 総括通報等責任者は、当該通報を受理するときは、当該通報への対応手続の終了までに必要と見込まれる期間を設定するよう努めるものとする。
(調査の実施)
第12条 通報を受理した総括通報等責任者は、当該通報に関する秘密を保持するとともに、個人情報を保護するため、通報者が被通報者及びその関係者に特定されないよう十分に留意しつつ、速やかに必要かつ相当と認められる方法で調査を行う。
2 総括通報等責任者は、調査の方法、内容等の適正を確保するとともに、調査の適切な進捗を図るため、調査について適宜確認を行う等の方法により、通報事案を適切に管理する。
(調査の方法)
第13条 通報事実の調査に当たっては、総括通報等責任者は通報者等から面談、電話、電子メール等を通じて聴取を行い、通報事実の内容に誤りがないか確認するよう努める。
2 通報に関して調査又は是正措置を行う必要性がないとして調査を終了する場合には、通報を受領したこと又は調査を実施したことについて被通報者の属する法令等遵守担当官に知らせないものとする。ただし、調査の実施の過程で、既に法令等遵守担当官へ聴取を行っている場合を除く。
3 調査の端緒が通報等であることを他の職員に認識させないよう、事案の性質に応じて適切な措置をとるものとする。
(協力義務等)
第14条 総括通報等責任者は、通報事実の調査等に当たり、法令等遵守担当官の協力が必要となる場合には、法令等遵守担当官と連携して調査を行い、是正措置をとるなど、相互に緊密に連絡し協力する。
2 総括通報等責任者から調査の協力を求められた職員は、調査に誠実に協力をしなければならず、調査を妨害する行為をしてはならない。
(調査結果に基づく措置)
第15条 総括通報等責任者は、調査の結果について内部通報調査報告書(様式第5号)より町長等に報告しなければならない。
3 町長は、必要に応じ、前項の法令違反等について公表し、又は告発し、及び関係する職員の処分を行うものとする。
5 総括通報等責任者は、是正措置又は再発防止策をとった後、法令違反行為等が再発していないか、是正措置又は再発防止策が十分に機能しているか適宜確認に努める。
(通報者等の保護)
第16条 職員は、通報者等に対し、通報等を行ったことを理由として、不利益な取扱いをしてはならない。
2 総括通報等責任者は、被通報者が、通報者等の存在を知り得る場合には、被通報者が通報者等に対して第1項に規定する不利益な取扱いを行うことがないよう、被通報者に対して、注意喚起をする等の措置をとるものとする。
3 総括通報等責任者は、通報等の対応の終了後、通報者等に対し、通報等をしたことを理由とした不利益な取扱いが行われていないかを適宜確認する。
4 総括通報等責任者は、通報者等が、第1項に規定する不利益な取扱いを受けていることが明らかになった場合には、これを是正し得る者に通知し是正を求め、通報者等の保護に係る必要なフォローアップを行うよう努める。
(通報等の関連文書の管理)
第18条 通報等への対応に係る記録及び関係資料については、文書管理に関する法令、綾川町文書管理規程(平成18年3月21日綾川町訓令第7号)等に基づき適切な方法で管理しなければならない。
(法及び本訓令の周知等)
第19条 総括通報等責任者は、綾川町における通報等への適切な対応を推進するため、職員に対する広報の実施、定期的な研修、説明会の実施その他適切な方法により、法、地方公共団体向けガイドライン及び本要綱に基づく通報等の方法、通報等の取扱い、通報者等の保護の仕組み等について、充分に周知するものとする。
2 総括通報等責任者は、前項の事務を、総務課の職員に行わせることができる。
3 内部通報先は、通報等の方法、通報等の取扱い、通報者等の保護の仕組みについて職員から問合せがあった場合には、教示するものとする。
(通報対応の評価及び改善)
第20条 綾川町における通報対応の仕組みの運用状況についての透明性を高めるとともに、客観的な評価を行うことを可能とするため、通報対応の仕組みの運用状況について、定期的に評価及び点検を行うとともに、他の行政機関、民間事業者による先進的な取組事例等を参考として、通報対応の仕組みを継続的に改善するよう努める。
(他の法令等との関係)
第21条 通報等への対応手続については、他の法令(条例、規則その他の規程を含む。)に特別の定めがある場合又はこれに基づく運用がある場合を除くほか、本要綱の定めるところによる。
第22条 本要綱は、職員が本要綱に規定する者以外の職員に対し通報等を行うことを妨げるものではない。
附則
この要綱は、平成31年4月1日から施行する。